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vol.21 どうなる? 日本の食の未来 フードテック第一人者に聞く(前)

国内最大級のグローバルフードテックカンファレンス「SKS (スマート・キッチン・サミット) JAPAN」。
食×テクノロジー×サイエンスを掲げ、産業の枠を超えて議論するSKSは米シアトルで創設されました。
今回、登場する株式会社UnlocXの代表取締役、田中宏隆さんは、現地でSKSを見て衝撃を受け、日本での開催を実現させた人物。
このイベントを機に、日本でも「フードテック」が普及し、&mogも食のスタートアップ企業のサポートに力をいれるようになりました。
今年11月の「SKS JAPAN」を前に、これからの「フードテック分野」の行方について、「&mog by Mitsui Fudosan」を担当する吉田信貴さんが田中さんにお話を伺いました。

 

今年11月5日から7日(※4日は招待制のプレイベント)まで、日本橋・コレド室町で開催される「SKS JAPAN2026グローバル フードテックサミット」では、食品メーカーや流通、小売、不動産、金融、行政、研究者、投資家などあらゆる業界のキーパーソンが国内外から集まって議論することで、食にまつわる新しい産業の創出をめざしています。

田中さんは2016年に米シアトルで開催されたSKSの熱気に衝撃を受けて、日本での開催実現に邁進してきました。第9回目を迎えるいま、フードテックの現状については「繁栄と衰退の分岐点にいる」と話しています。 そして現在、SKS JAPANの公式サイトを見ると、開催に向けたメッセージに「日本の食のイノベーションが第2ステージに入った」と明記してあります。これは何を意味するのでしょうか?

SKS JAPAN公式サイトより転載

田中宏隆さん(以下田中):
「SKS JAPANを初めて開催した2017年はまだ、フードテックという言葉そのものが知られていませんでした。その後、大手食品メーカーの開発現場などに少しずつ認知が広がり、スタートアップ企業も登場しました。2020年には共著『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』(日経BP)を上梓させていただいた結果、大手企業の経営層が興味を持ち始め、SKS JAPANにも登壇してくれるようになりました。ビジネス界に〝フードテック〟という言葉が浸透したころです」

同書は食×テクノロジーが生み出す産業の可能性を示唆したもので、代替タンパクの開発技術や超パーソナル食(編集部注:遺伝子検査や腸内細菌叢などを解析して、個人レベルで最適化された食事)などが紹介されています。この本の登場で、従来の食とはまったく異なる世界が生まれつつある事実が、読者に大きなインパクトを与えました。

田中:「フードテックへの投資は2021年をピークに下がっていましたが、世界では公的資金が動き出し、日本も2023年から〝中小企業イノベーション創出推進事業補助金制度(SBIR)フェーズ3〟という500億円弱の規模の補助を実施。食のスタートアップ企業が平均10億円超程度の原資を得て、食品や機器の開発を進めました」

田中さんによれば、ここから2024年ごろまでを第1ステージだとしています。この時期には、海藻養殖を牽引する㈱シーベジタブルや、泡盛の蒸留過程で発生した粕を使って発酵させた食用藻で発酵させた食用藻から旨味を含む粉末を開発する㈱アルガレックスなど、日本の食文化をベースとしたスタートアップが次々と誕生し、フードテックという言葉が浸透しました。(後編に続く)

SKS JAPAN2024の展示の様子。(提供:株式会社Unlocx)

お話を伺った方
田中宏隆さん
株式会社UnlocX代表取締役CEO。パナソニックを経て、McKinsey & Companyにてハイテク・通信業界を中心に8年間に渡り、成長戦略立案・実行、M&A、新事業開発、ベンチャー協業などに従事。 2017年シグマクシスに参画しグローバルフードテックサミット「SKS JAPAN」を立ち上げ。食に関わる事業開発伴走、コミュニティづくりに取り組むなかで、食のエコシステムづくりを目指し2023年10月株式会社UnlocXを創設。「フードテック革命」(2020年/日経BP)、「フードテックで変わる食の未来」(2025年/PHP新書)、「教養としてのフードテック」(2025年/日経BP)共著。

Text: Kie Oku
Photo: Kazue Shibuya

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