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vol.20〝つなぐ〟から生まれる食の新しい可能性(後)

新しい技術や商品が次々と生まれる食の世界。一方で、それらを世の中へ届けるには多くの壁がある。
街と人、企業と市場、技術と食の現場をつなぐことで、新たな価値の創出を目指す三井不動産の「& m o g 」。
立ち上げからプロジェクトを支えるコンサルティング企業「シグマクシス」の福本都さんと、三井不動産の吉田信貴さんが、
その歩みとこれからを語り合う注目の対談の後編をお届けします。

福本 食の業界は食品メーカーや外食産業などに細分化され、各領域で発展してきたため、独自の慣習やルールも少なくありません。さまざまな制約のなかで安全性を担保しながら商品開発を進めなければならない。その難しさは多くの企業に共通する課題だと思います。

吉田 結局、案件によって提供するサービスをカスタマイズしていかないと成立しない。一方で、案件ごとにゼロから構築していては、私たち自身のビジネスとして成立するのかという課題も生まれます。

福本 どこまで機能を備えるべきか、提供すべきかは、常に議論していますよね。

吉田 はい。その議論こそ、意味があると考えています。「&mog」が始まったころは、私たちは食分野で十分なネットワークを持っていなかったので、シグマクシスのハブ機能や深いつながりに支えられました。プロジェクトの成功事例をどう作っていくかについても一緒に考えていただき、今振り返ると、その存在の大きさを改めて感じます。

福本 よく伴走支援という言葉が使われますが、私自身は支援するというより、同じ悩みを共有しながら、一緒に考えている感覚に近いですね。だから、毎回必死です(笑)。

吉田 福本さんは、常に新しい情報や知見を取り入れながら、多くのアイデアや選択肢を提示してくれます。新しい商品づくりに正解はありません。そのなかで、一緒に可能性を探してくれる存在だと思っています。

吉田 スタートから2年が経ち、人や企業をつなぐ力も成長していると感じています。

福本 これまで食産業は、情報共有や連携が難しい部分がありました。そこに、中立的な立場である三井不動産が関わることには大きな意味があると思っています。今は新しい商品・サービスの検証〜実装が中心ですが、今後は「&mog」の活動で広げた食のネットワークから三井不動産のアセットや開発力を活かして、一緒に解決していける場になればと考えています。

吉田 現在は、食の事業開発支援やテストキッチン機能を備えた「&mog Food Lab」の運営に力を入れ、食産業の課題解決とイノベーション創出をめざしています。また、個人的には、「&mog」が主語で語れる食の事業領域があるのでは、と思っています。

福本 料理人の皆さんも、「もっとこうなったらいいのに」という課題を私たちも一緒に考えていきたいですね。

吉田 新しい食材や技術が生まれても、それをどう届けるかを考えるうえで、料理人の視点は欠かせません。これまでも試食会などを実施してきましたが、今後も料理人の皆さんと一緒に、新しい出会いや協業の機会をつくっていければ嬉しいですね。

ご登場いただいた方
福本 都(ふくもと みやこ)さん
株式会社シグマクシス マネージャー。東京大学卒業。東京大学大学院社会心理学専攻修士課程修了。2020年にシグマクシスに入社。フード・アグリ専門チームに所属し、日々食の課題と向き合い。「&mog」の立ち上げからサポートする。

吉田信貴(よしだ のぶたか)さん
三井不動産株式会社 日本橋街づくり推進部 事業グループ。大学・大学院時代には航空宇宙工学を専攻し、2023年に三井不動産に入社。日本橋街づくり推進部に所属し、「&mog by Mitsui Fudosan」を推進中。

Text: Yuki Kimishima
Photo: Kazue Shibuya

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